初の海外は、10月に修学旅行で訪れたシンガポール。現地の男性から英語で尋ねられたが、相手の言いたいことを理解できず「ソーリー」と答えるのがやっとだった。申し訳なさと悔しさがこみ上げ、「外国人と自然に会話できるようになりたい」と誓った。その直後につかんだ栄冠に「信じられない。頑張ってよかった」と喜びをかみしめる。
宮崎日大中3年。1年生の時は1次のテープ審査で落ち、「英会話教室にも行ったことがないし、やっぱりダメなんだ」と落ち込んだ。しかし学校の教諭たちから「何より英語が好きで、演劇部員で表現力もある」と2年ぶりの挑戦に背中を押された。
力になったのは、英国人の外国語指導助手(ALT)のマーク・ジョンさん(50)の熱心な指導。大会直前は連日、休み時間などに発音練習に付き合ってくれ、「本番も練習通りやってくれれば、僕はうれしいよ」という言葉が励み、自信になった。4日に宮崎市であった大会では緊張しつつも、楽しみながら「オペラ座の怪人」の一幕を情感たっぷりに暗唱することができた。
演劇部に所属するなど文化系への興味の幅が広く、趣味・特技はアニメやピアノ、書道と多彩。将来は漫画家になりたいという。「小さいときから絵を描くことが好き。人を引きつける面白い漫画を書くためにも、英語を使って自分の世界を広げていきたい」と目を輝かせる。
宮崎市佐土原町の自宅で両親と犬2匹と暮らす。15歳。
(報道部・中西透)