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宮崎海上保安部長に就任した 小野和哉(おの・かずや)さん

2017年4月23日
 宮崎市出身で、故郷の海岸線約400キロ、海域面積約2万平方キロを守る責任者に1日付で就いた。「関係機関と良好な関係を築き、地域の方々に信頼される保安部にしたい」と抱負を語る。

 宮崎大宮高を卒業後、海上保安大学校(広島県呉市)へ。初任地の横浜を皮切りに北海道根室、新潟、呉、沖縄県石垣など全国各地で勤務。「30年で転勤16回、引っ越し12回。これだけ頻繁なのは珍しいのでは」と笑う。今回、宮崎への異動を希望し、初めての第十管区勤務となった。

 業務もこれまで海上保安庁の教育部門など陸上勤務19年、巡視船船長など船艇勤務11年と幅広く経験。「おかげで人とのつながりが広がったほか、部下には自身の体験を踏まえて自信を持った指示が出せる」と話す。

 思い出に残るのは昨年、静岡沖で行った荒天下の海難救助。夜間で船に開いた穴も見つかりにくく難航を極めたが、潜水士らが訓練の成果を発揮して防水を成功させた。

 2012年の尖閣諸島の国有化では、中国船の領海侵入が相次いだ際に巡視船に乗り対応した。緊張感が漂う厳しい日々だったが、弱音を吐く乗組員は一人もいなかったという。「人の適応能力の高さをあらためて知り、日頃の実践的な厳しい訓練がいかに大事かを感じた」と振り返る。

 読書が趣味で、よく図書館へ推理小説などを借りに行く。「これからサイクリングや釣りもしたい」と久しぶりの宮崎での生活を楽しみにしている。自宅は埼玉県にあり、日南市に単身赴任。二等海上保安監。50歳。

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