ホーム ひと

県高校駅伝で初優勝を果たした宮崎日大高男子駅伝部の監督 藤井 周一(ふじい・しゅういち)さん

2018年10月30日
 2011年の創部以来初の頂点に立った。「これまで、選手たちの悔しい思いを一番近くで見てきた。良かった。本当に…」。レース直後に感想を問われ、話しだすと涙があふれた。

 前評判が高かった昨年、全国大会出場を逃した。担任を務めた3年生部員とは「朝から晩まで一緒にいたこともある」。誰よりもそのつらさが分かった。「この一年は引きずった」という。

 今回は例年以上にチームの仕上がりには自信を持っていた。それでも「また勝たせられなかったら」と不安がよぎった。大会1週間前から連日、午前2時に目が覚めるほどプレッシャーも感じていた。「苦しかったー」。思わずそんな言葉も飛び出した。

 兵庫県西宮市出身。小学生のころはサッカー少年だった。「上手な子が多かった。走ることなら負けない」と、中学から長距離に取り組んだ。名門西脇工高へ進学すると、3年連続で都大路を走り2度の日本一。日大、日清食品でも主力として活躍、北京五輪も目指した。29歳で一線を退き、宮崎に移り住んだ。

 「(自分の)子どもは授かりもので、生徒は預かりもの。預かったものは大事にしなければいけない」。退職時、日清食品監督の白水昭興さん(現総監督)に贈られた言葉を支えに、情熱を持って選手と向き合う。結果を出せず落ち込むこともあるが、「生徒が練習する姿を見て、勇気をもらう」と目を細める。

 36歳。宮崎市内に妻と2人の子どもと暮らす。小4の長男と公園でサッカーをするのが息抜き。

このほかの記事

過去の記事(月別)