2025年01月06日05時35分
建材事業の歩みや技術者の思いを広く伝え、もの作りの精神を後世に残そうと、建材大手YKKAP(東京)が昨年11月、富山県黒部市に技術館を開館した。同社の黒部製造所内にある工場建屋を改修して活用。主力商品のファスナーで事業拡大したYKKグループが、アルミサッシなど建材の分野でも発展を遂げた歴史を振り返る。
1959年に完成した工場を改修し、当時の鉄骨屋根やスチール製サッシを展示物として残した。壁面にはアルミリサイクル材を使った断熱性のカーテンウオールを整備し、環境面に配慮。今後、館内の電気や暖房設備に使うエネルギーを、製造所の生産過程で出る排熱エネルギーの再利用で賄うことも目指す。
展示は建材事業の始まりを紹介する「創業」、アルミサッシの製造から窓事業への進出などを解説する「発展」「改革」、環境保全への貢献や今後の展望を取り上げる「挑戦」の4テーマで構成。創業から現在までの歩みをたどるシアター上映や、事業拡大の礎となった自社製の「アルミ押出機」など約500点の展示を楽しめる。
【写真】 展示品の「アルミ押出機」を紹介する谷畑弘之館長=富山県黒部市