2025年01月23日18時56分
高知県南国市の「若宮ノ東遺跡」から出土した、弥生時代後期末―古墳時代初頭の土器片に刻まれた文字のようなものが、「何」「不」の漢字2文字の可能性があることが23日、県立埋蔵文化財センターの調査報告で分かった。土器片はつぼの一部とみられ、大きさや形状から2文字を含め最大7文字が刻まれていた可能性もあると推定した。
調査報告によると、2018年に行った竪穴建物跡の発掘調査で出土。つぼの首から肩にかけての部分とみられ、大きさは縦7センチ、横約11センチ。19年に実施した洗浄作業の際に、外側に文字のようなものが刻まれているのが見つかり、専門家に鑑定を依頼していた。
鑑定の結果、専門家は上から漢字の「何」、「不」ではないかと分析。「何」に関しては欠損しているものの、漢字の形の一部と推測されるとしたほか、「不」は書き順に矛盾はないとした。
線の太さや断面の形状は異なっているが、いずれも同一工具で土器を焼き上げる前に刻まれており、止めや払いを意識したように見えるという。
【写真】 漢字2文字が刻まれている可能性のある土器片(高知県立埋蔵文化財センター提供)