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維新提唱の1人区「予備選」に壁 参院選、野党内の反応鈍く 

2025年01月03日17時13分
 日本維新の会が夏の参院選改選1人区で呼びかけている野党の「予備選」に複数の壁が待ち受ける。与党に対抗する野党一本化の手法として吉村洋文代表が提唱したものの、他の野党の反応は鈍く、維新内にも異論がくすぶる。実施方法も難しく、実現は見通せない。

 吉村氏が予備選を打ち出したのは昨年11月の代表選だ。「参院でも少数与党に追い込むため、与野党一対一の構図をつくる」と意気込み、今月の通常国会が始まるまでに素案を提示する意向も表明している。従来立憲民主党などが目指した一本化調整と異なるのは、公開ルールで候補を1人に絞る点だ。「選挙目当ての野合」との批判を回避する狙いがある。

 立民の野田佳彦代表はすぐ「話を聞いてみたい」と呼応した。ただ、一本化の方向性を「路線は全く同じだ」と歓迎しつつ、予備選には「一つのアイデア」と語る以上に踏み込んでいない。立民内でも幹部の一人は「全野党の参加が前提になる」と懐疑的だ。

 国民民主党は改選1人区への擁立が限定的だとして「基本的に関係ない」(玉木雄一郎代表=役職停止中)との立場だ。
【写真】 「予備選」実施に待ち受ける壁