６日午前２時５分ごろ、茨城県の鹿島港の沖合で漁船が転覆した。鹿島海上保安署などによると、漁船は第８大浜丸（８０トン）で、乗っていた２０人のうち１７人を救助したが、搬送先の病院で５０代と６０代の男性２人の死亡が確認された。残る４０代、６０代、７０代の男性３人を捜索している。死亡したり、行方不明になったりしたのはいずれも日本人。

　保安署などによると、救助された乗員は「魚が網に大量に入ったことで徐々に船体が傾いた」と説明した。付近の船から「巻き網漁船が転覆したようだ」と１１８番があり、出動。現場に船は見当たらず、沈没したとみられる。保安署は、網を引き上げる際に魚の重みで船体が傾いた可能性があるとみて、詳しい状況を調べている。

　乗員のうち５人はインドネシア人で、既に救助した。漁船が所属する大津漁協（茨城県北茨城市）によると、船は５日昼にイワシ漁をするため大津港を出ていた。

　現場は鹿島港から東に約３１キロ、銚子漁港から北東３０キロの沖合で、当時の天気は穏やかだった。