2025年01月25日21時28分
政府、与党は3月に米ニューヨークで開かれる核兵器禁止条約第3回締約国会議に自民、公明両党の議員を派遣する方向で検討に入った。「核なき世界」に向けた議論の内容を今後の取り組みに生かす。一方、政府は会議へのオブザーバー参加を今回も見送る方向で調整する。日本周辺の安全保障環境を踏まえ、米国の「核の傘」による抑止力を考慮し現実的な対応が必要だと判断した。複数の政府関係者が25日明らかにした。
政府のオブザーバー参加は、ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)などが石破茂首相に要請していた。今年は広島、長崎への原爆投下と戦後80年の節目で、唯一の戦争被爆国として参加を期待する声が高まる中、政府の対応が注目されていた。
日本は条約制定交渉や条約に参加していない。第1、2回締約国会議も見送った。被団協の田中熙巳代表委員は25日、取材に「極めて残念。今が一番いいチャンスだったが、米国の顔色をうかがったのではないか」と話し、政府の判断を疑問視した。
【写真】 核問題を巡る日本の立場