2025年01月14日12時19分
九州大研究員だった女性が研究室長の男性教授に体を触られるなどのセクハラを受け、他大学に移らざるを得なくなったとして、九大と教授らに計約4690万円の損害賠償を求めて提訴し、第1回口頭弁論が14日、福岡地裁(中辻雄一朗裁判長)で開かれた。原告側によると、被告側は請求棄却を求めた。九大は2023年、教授の複数のハラスメント行為を認定した。
原告の女性は記者会見で「権力構造がある中で起きた典型的な事例だ。人間として、労働者としての尊厳を犠牲にしてまで働き続けることはできなかった」と訴えた。
訴状によると、女性は30代だった21年4月から任期付きで工学部に勤務。間もなく「ちゃん」付けで呼ばれ、研究室での飲み会で性的な発言を繰り返し受けるようになった。同7月、飲み会帰りに駅のホームや電車内で体を触られた。同12月に警察や大学に被害を申告すると、契約を更新しないとにおわせられたり、業務を与えられなくなったりしたとしている。
原告側は、教授を止めず便乗してセクハラをしたとして、准教授も被告に加えた。
【写真】 初弁論後、記者会見する九州大の研究員だった女性(手前)=14日午前、福岡市