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皮膚の表面側でもコラーゲン生成 ウーパールーパーで確認 

2025年03月18日17時42分
 肌の弾力を保つのに重要なタンパク質「コラーゲン」は、これまで考えられていた皮膚の深い部分だけではなく、表面側でも作られている―。そんな研究成果を、岡山大や名古屋大などの研究チームが、皮膚の透明な両生類「ウーパールーパー(メキシコサンショウウオ)」を使った実験で明らかにし、英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に発表した。人でも同じ仕組みがあるとみられる。

 コラーゲンは皮膚の深い部分「真皮」にある「線維芽細胞」により作られるのが常識だという。チームの佐藤伸・岡山大教授は「コラーゲンは化粧品などで非常に重要な成分。開発の際の発想を変えてしまうのではないか」と話している。

 岡山大大学院生の大蘆彩夏さんらは、子どもの姿のまま成体になり皮膚の透明度が高く、きれいな編み目状の3層構造のコラーゲンを持つウーパールーパーに着目。3層のうち、先にできた古い層と、次にできる新しい層に、異なる色を付ける技術を使い観察したところ、線維芽細胞ではなく、皮膚の表面側にある「表皮細胞」から新しい層が生じていた。
【写真】 皮膚が透明な両生類「ウーパールーパー」(佐藤伸・岡山大教授提供)