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「尹氏が指示」供述相次ぐ 逮捕の軍幹部ら、捜査焦点 

2025年01月15日16時15分
 【ソウル共同】「国会に入ろうとする議員たちを全て捕まえろ」。韓国検察によると、尹錫悦大統領は「非常戒厳」宣言当時、国会議員による戒厳令の解除要求決議を妨害しようと軍や警察の幹部らに直接指示していた疑いがある。尹氏側は完全否定しており、今後の捜査や弾劾審判で焦点となりそうだ。

 検察は尹氏に戒厳令を進言したとされる金龍顕前国防相を昨年12月27日に内乱罪などで起訴。逮捕された軍や警察幹部の供述などをまとめた捜査結果を発表した。尹氏の弁護人は「事実とは異なる一方的な供述だ」と反発した。

 尹氏は解除要求決議を防ぐため国会封鎖を試みた疑いや、与野党代表ら主要政治家を拘束しようとした疑いなどが持たれている。

 検察によると、国会に特殊部隊を投入した郭種根・陸軍特殊戦司令官=内乱容疑で逮捕、起訴=は「扉をおので壊してでも中に入って(議員らを)引きずり出せ」と尹氏に指示された。李鎮雨・首都防衛司令官=同=も同様に「銃を撃ってでもドアを壊して引っ張り出せ」との指示を受けたとされる。
【写真】 ソウルの大統領府で「非常戒厳」を宣言する尹錫悦大統領=2024年12月3日(大統領府提供、AP=共同)