南海トラフ日向灘-高知沖、観測網整備へ16億円
2018年12月22日
高知県沖から日向灘にかけての南海トラフ西側海底に地震・津波観測網「N-net」を構築するため、21日に閣議決定した2019年度予算案で16億1400万円が盛り込まれた。既に観測システムがある南海トラフ東側海底に対して、西側は「空白地帯」となっている。完成は23年度の予定。
N-netは、地面の揺れを感じる地震計、海水面の高さを測る水圧計の二つから成る観測点を海底に40カ所設置。これを約900キロメートルのケーブル2本でつなぎ、観測した場合は2カ所に設置する陸上局(場所は未定)を通じて気象庁、防災科学技術研究所に情報が送られる仕組みだ。
この事業には、21日に閣議決定された18年度第2次補正予算案でも16億円が計上された。文部科学省地震・防災研究課は「待望の事業。地震・津波を瞬時に観測できるので防災・減災に役立つことが期待される。さらに、海底に直接機器を置くことでいろいろなことが分かり、研究面でも貢献できるだろう」とみている。
西側海底については、本県を含む「南海トラフ地震による超広域災害への備えを強力に進める10県知事会議」が地震・津波観測監視システムの早期整備を要望。政府地震調査研究推進本部の作業部会も、地震計や水圧計などの観測網を段階的に整備する必要があるとの報告書をまとめていた。
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