日向灘「活動期」か 宮崎大名誉教授(地震工学)原田隆典さん
2019年5月11日
日向灘を震源とする地震は1900年以降、約14年周期でマグニチュード(M)6以上の地震が起きる「活動期」と、「静穏期」を繰り返している。直近では96(平成8)年10月にM6・9、同年12月にM6・7の地震が発生しており、これらの傾向を踏まえると、2010年ごろに活動期に入ったとみられていた。
それから9年近くM6以上の地震は発生していなかったが、今回のM6・3の地震によって、かなり高い確率で活動期に入ったと考えられる。
日向灘では、陸側のユーラシアプレートにフィリピン海プレートが沈み込んでいる。プレートが接する境界面でひずみが生じ、元の状態に戻る際にもろい部分が破壊されるため地震が起きる。現在、プレートのひずみは1900年以降で最大と考えられ、今後14年間でM7〜7・5クラスの地震が発生する可能性が高まっている。
エネルギーの大きさを単純計算すると、今回と同じM6・3の地震が32回発生して、ようやくM7・3クラスのエネルギーと等しくなる。この想定が現実に起きるとは考えにくく、M7・5クラスの地震が1回起きて、一気にエネルギーを放出すると想定する方が自然だ。
M7以上、震度6強レベルの地震の場合、本県では津波も念頭に置かないといけない。今回の地震で大きな被害は確認されていないが、この先、起きる可能性がある巨大地震の警鐘と捉えるべきだ。防災グッズや避難で使う運動靴の準備、家具や冷蔵庫などの固定といった対策を、今すぐに講じてほしい。
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