延岡で突風、18人負傷 台風17号、走行中の車横転
2019年9月23日
大型の台風17号は22日、東シナ海を北東に進んだ。県内には台風に向かって南から暖かく湿った空気が流れ込み大気の状況が不安定となり、延岡市で竜巻とみられる突風が発生。住宅や店舗の屋根や壁が吹き飛ばされるなどの被害が多数出た。同市や宮崎日日新聞の調べでは、走行中の車が横転し、男性が救急搬送されるなど少なくとも18人が負傷した。宮崎地方気象台によると、本県は同日、全域が風速15メートル以上の強風域に入った。強風域を抜けるのは23日昼前になる見込み。
延岡市によると、突風による被害は同市緑ケ丘から桜ケ丘までの帯状の区域で確認された。JR延岡駅敷地内では同日午前8時35分ごろ、突風で貨物コンテナが飛ばされ鉄塔に衝突した。この影響で停電が発生し、日豊線の延岡―日向市間で一時運転を見合わせた。宮崎地方気象台は同日、現地調査を実施し、被害の状況から「竜巻の可能性が高い」と指摘した。
延岡市では2006年9月の台風13号でも竜巻が発生し、死者3人、重軽傷143人の被害が出ている。
同市中川原町では、40代男性が乗る軽ワゴン車が走行中に突風に巻き込まれて横転。右腕を骨折した疑いで、市内の病院に救急搬送された。また在宅当番医の市内の民間病院では、突風で割れたガラスで顔や手足を切るなど17人が手当てを受けた。市経営政策課によると、今後も負傷者は増える可能性がある。
県のまとめでは、台風による強風にあおられ宮崎市の90代女性が転倒するなど、2人が重軽傷を負った。県内では、西米良村で午前4時半ごろまでの1時間に53・5ミリの非常に激しい雨を観測。このほか、日之影町49ミリ、延岡市北方39ミリ、美郷町神門34・5ミリなど。最大瞬間風速は午後5時までに、宮崎市田野で25・7メートル、都城市で24・5メートルが観測された。
台風は22日午後9時現在、対馬市の南約70キロにあり、中心気圧は980ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30メートル、最大瞬間風速は45メートル。中心の南東側650キロ、北西側560キロが風速15メートル以上の強風域となっている。
【写真】竜巻とみられる突風の被害を受けた住宅地。多くの家で屋根瓦が飛ばされ、電柱は傾いている=22日午前11時29分、延岡市昭和町(ドローンで撮影、画像の一部を加工しています)
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