延岡竜巻 地形的要因発生影響か
2019年10月23日
台風17号接近に伴い、延岡市で発生した突風は竜巻と断定された。竜巻は同市平原町から桜ケ丘を南北に縦断したことが明らかになっており、宮崎地方気象台の所克博次長は、「2006年の竜巻と発生場所が近く、コースも似ている」と指摘する。
気象庁によると、同市南部の海上で22日午前8時、発達した積乱雲が確認された。今回の竜巻の発生過程は解明されていないが、積乱雲が同市上空へと移動した際、地形の影響を受けて空気の渦がうねりを伴い、竜巻が発生したとみられる。所次長は「06年以前も同じようなコースをたどる竜巻が発生しており、何らかの地形的要因があると考えられる」とみている。
竜巻の幅や移動速度は未確定だが、風速は約50メートルと推定され、突風の強さを6段階で示す日本版改良藤田スケールで下から2番目となる「JEF1」に相当。06年の竜巻は改良前の藤田スケール「F2」で今回の竜巻より風速が大きかった。
気象庁によると、本県は竜巻など突風の発生件数は全国上位。同庁の統計では、1991~17年に本県で発生した「竜巻」「竜巻またはダウンバースト」は27件で、北海道47件、沖縄県43件、高知県34件に次いで4番目。台風接近時などに海から暖かく湿った空気が陸側に向かって流れ込み、突風の発生原因となる積乱雲が発達しやすい本県の地形が影響しているとみられる。
県内では昨年9月、台風24号の接近に伴い綾町で竜巻が発生するなど、毎年のように被害が出ている。気象庁は竜巻発生の恐れがある場合、ホームページで該当地域や発生確度を地図上に掲載。所次長は「台風から離れていても突風は発生する。竜巻注意情報が出たら、頑丈な建物に入るなどして身を守ってほしい」と話す。
その他の記事
「終わり見えない」延岡竜巻、災害ごみの搬出苦慮 2019/9/28
延岡の竜巻被害「連携し支援」 国交相、知事が被災地視察 2019/9/26
倒壊ハウス、復旧へ汗 延岡竜巻、ボランティア本格化 2019/9/25
延岡竜巻映像 監視カメラに 2019/9/25
延岡竜巻被害 住民後片付け懸命 2019/9/24
延岡突風は竜巻 気象庁断定 2019/9/24
延岡竜巻 地形的要因発生影響か 2019/10/23
ごう音、市街地襲う 台風17号延岡突風 2019/9/23
被害、南北に広範囲 「06年竜巻と同じ」証言も 2019/9/23
延岡で突風、18人負傷 台風17号、走行中の車横転 2019/9/23