延岡突風は竜巻 気象庁断定
2019年9月24日
台風17号の接近に伴い、延岡市中心部の広範囲で建物が損壊するなどの被害が発生した突風災害で、気象庁は23日、被害状況や目撃証言などから突風を竜巻と断定した。風速は50メートルと推定され、規模は突風の強さを示す日本版改良藤田スケールで6段階のうち下から2番目の「JEF1」に相当する。県危機管理局によると、竜巻で被災した建物は一部損壊が483棟、負傷者は18人だった。同市で竜巻が観測されたのは2006年9月以来13年ぶり。
宮崎地方気象台が同日までの2日間行った現地調査の結果、竜巻は22日、同市南部の海沿いに位置する平原町付近から内陸の桜ケ丘付近まで北北西に7~8キロ進んだとみられる。被災者への聞き取りや積乱雲の動きなどにより、発生は午前8時半~同40分と推定される。
同市によると家屋の被害は屋根瓦の飛散やシャッター、ガラスの破損などが多く、屋根ごと吹き飛ばされた家屋もあった。JR延岡駅に隣接する日の出町が138棟と最も多く、竜巻を観測した桜ケ丘85棟、五ケ瀬川河口沿いの昭和町83棟と続いた。
破損した建物で風雨を避ける応急対策用に、同市はブルーシート約1500枚と土のう約千袋を準備し、市役所や被災地の公民館などで配布した。
農業関係の被害は23日正午現在、園芸用ハウス23棟の計67アールで、全半壊やビニールが破れるなどした。水稲は夏田町と中川原町の計20ヘクタールで倒伏が確認。被害を受け、伊東良孝農林水産副大臣が24日同市を訪れ、夏田町などで水稲倒伏やハウス倒壊の状況を視察する予定。
台風17号は22日午後10時ごろ本県に最接近し、23日午前9時ごろ、県内は強風域を抜けた。台風による負傷者は宮崎市で90代女性が強風にあおられて転倒し右足を骨折するなど、重傷1人、軽傷1人だった。
県内は23日、交通の乱れも続き、宮崎空港を発着する空の便は午前中の計8便が欠航。JR九州の特急きりしま(宮崎―鹿児島中央)は午前中の2便が運休した。
また、西米良村では同日、同村西部の八重地区で床上浸水2世帯、床下浸水1世帯の被害が確認された。
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