延岡竜巻被害 住民後片付け懸命
2019年9月24日
台風17号の接近に伴い、延岡市で広範囲に被害をもたらした突風災害。気象庁は23日、竜巻と断定した。一夜明けた市街地では、被災した市民らが屋根瓦が飛ばされた住宅の補修や清掃、倒壊したビニールハウスの撤去作業などに追われた。2006年以来、13年ぶりに竜巻に見舞われた被災地は、一日も早く日常を取り戻そうと懸命な作業が続いた。
延岡市日の出町の地区公民館では午前9時、市職員が屋根を覆うためのブルーシートを被災した大勢の市民に配布した。谷口眞一区長(70)は「地区の3割ほどの住民が何らかの被害に遭った」と話す。
同町の洋菓子店も、飛来したがれきで外壁が壊れたり窓ガラスが割れたりなどの被害を受けた。従業員らが片付けなどの作業に当たり、小松原健介店長(52)は「店内にガラスの小さな破片が広く飛び散っている。清掃や復旧が全て終わるには時間がかかるだろうが、できるだけ早く営業を再開したい」と汗をぬぐった。
市内北部で特に被害が集中した同市桜ケ丘。住宅地の路上脇には、割れたガラスやがれきなど災害で出たごみが放置されている場所もあり、同市桜ケ丘3丁目の介護施設職員鎌倉文枝さん(58)は「大量のごみをどうするか、行政は処分の方法について市民への周知を徹底してほしい」と求めた。
竜巻で自宅のガラスが割れ、顔と右手、左足を負傷した同市桜ケ丘3丁目の主婦榊原はる子さん(66)は「天井がなくなり、部屋の中に雨が染みこんだ」と疲れ切った表情。早朝から家族総出で風で吹き飛んで壊れた屋根の片付けや、ぬれた家具などを運び出す作業を進め、「修繕が済むまで辛抱するしかない」と気を取り直していた。
ビニールハウス9棟が倒壊するなどの被害を受けた同市夏田町、農業遠田祐星さん(37)は午前中から農業仲間十数人と撤去作業に当たった。倒壊した鋼材とビニールの分別は全て手作業。「キュウリを作付けしようとしていた矢先だった。年内は片付けに追われるだろうが、やるしかない。来年には経営を再開したい」と前を向いた。
【写真】竜巻で吹き飛んだ屋根にブルーシートを掛ける住民ら=23日午前、延岡市桜ケ丘3丁目
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