倒壊ハウス、復旧へ汗　延岡竜巻、ボランティア本格化

2019年9月25日

　台風１７号による竜巻でビニールハウスの倒壊や水稲の倒伏被害が発生した延岡市夏田町で、農家やボランティアによる復旧作業が本格化している。２４日は農業仲間や地域の住民ら約６０人が集まり、鉄パイプやビニールを取り除く作業に黙々と汗を流した。

　ハウス９棟（２５アール）が全半壊した遠田祐星さん（３７）のハウスには、早朝から友人やＪＡ、市の関係者ら約４０人が集まった。折れ曲がった鉄パイプを取り外し、破れたビニールシートを運搬していた。

　駆け付けた同市北方町、農業川並恒久さん（３３）は「鉄骨がぐにゃりと曲がった現場を見て言葉が出なかった。今後も定期的に手伝いたい」。遠田さんは「大勢に来てもらいありがたい。できるだけ早く再開したい」と気持ちを新たにした。

　パセリなどを栽培している松田鐘樹（しょうき）さん（４３）方では、温室とビニールハウス計４棟が被害を受け、無数のガラス片がハウス内に散乱した。地元企業の従業員約３０人がボランティアで訪れ、割れたガラスを一つずつ手作業で取り除いていた。

　松田さんは「被害にぼうぜんとしていたので大変ありがたい」と話していた。数カ月間は作付けできないため、「当面収入が途絶える」と不安そうだった。

　同市では竜巻により園芸用ハウス２３棟（６７アール）、水稲２０ヘクタールが被害を受けた。市民からのボランティアの要望が多ければ、市は災害ボランティアセンターを設置する。

【写真】竜巻で倒壊したハウスの鉄骨を撤去するボランティア住民ら＝２４日午前、延岡市夏田町

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