「早めに」県民備え 台風14号本県接近 稲刈り前倒し、防災グッズ品薄
2020年10月9日
強い台風14号の本県接近に備え、県内では8日、稲刈りを前倒しする農家や、ホームセンターで防災グッズを買い求める姿が見られた。自治体が開設する避難所での新型コロナウイルス感染を避けるため急増している“ホテル避難”の動きもあり、宿泊施設は「直前まで受け入れられるよう備えたい」と注視している。
県内有数の米どころ・えびの市では多くの田んぼが収穫時期を迎え、黄金色に色付いている。25アールで稲作を営む同市杉水流、宮久保辰二さん(80)は「予想以上の雨が降る恐れもあり、万が一に備えて収穫を早めた」。7月の豪雨では同市下大河平(したおこびら)地区で川内川があふれ、田畑で浸水被害が発生。「今回は収穫が間に合わない農家もいる。とにかく被害がないまま過ぎ去ってほしい」と祈っていた。
コスモスが見頃を迎えている小林市の生駒高原では、作業員らが休憩用のテントをロープで固定するなど作業に追われた。5月のポピーの開花時期にはコロナ禍で閉園していたこともあり、管理する花の駅「生駒高原」の廣澤和洋店長(42)は「この秋こそは多くの人に楽しんでもらいたい。コスモスが倒れないよう願うしかない」。
延岡市北方町では特産品「次郎柿」がまるまると育ち、本格的な収穫を間近に控えている。同町蔵田の松原美幸さん(69)は「今年は出来が良さそうなので被害が出なければいい」と気をもんでいた。
ホテル避難も定着しつつある。宮崎市の宮崎グリーンホテルは高齢者の予約などで8、9日が満室となっている。清水洋支配人は「連泊している県外からのビジネス客が台風で地元に戻れないことも重なった」と説明。9月の台風10号の接近で避難所として宴会場を開放した同市の宮崎観光ホテルの担当者は「天候が急変してもすぐに対応できる態勢を取っている」と警戒感を強めていた。
自宅で備える人も多く、同市下北方町のホームワイド平和台店では、割れた窓ガラスの飛散防止用の養生テープが品薄状態に。林光昭店長(49)は「土砂崩れなどの被害が出た台風10号の影響もあり、早めに対策を取る人が増えている」と話していた。
【写真】強い台風14号の接近を前に養生テープなどの防災グッズが品薄状態となった売り場=8日午後、宮崎市下北方町・ホームワイド平和台店
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