硫黄山噴火 県道1号「安全確保課題」 再開へ県と専門家ら検討
2021年5月5日
霧島連山・硫黄山(1317メートル)の噴火活動の影響で一部区間が通行止めとなっている県道小林えびの高原牧園線(県道1号)について、県は21日、通行再開に向けた検討会を県防災庁舎で開いた。新ルートでの再開案について、学識者からは工事作業員や通行人らの安全確保面での課題を指摘する意見が相次いだ。県は「条件は厳しいが、再開を前提に検討を続けたい」としている。
県は同高原内に全長340メートルの新ルートを設ける方針を3月に発表している。会議では、ルート整備後、通行規制を判断する火山ガス量を厳格化する案も示されたが、京都大の石原和弘名誉教授(火山物理学)は「噴気孔近くを通すため、ガスや水蒸気噴出で道路が崩れることもある」と指摘。他にも「水蒸気で工事中にやけどを負う危険がある」など慎重意見が出た。
一方、小林、えびの市の関係者は観光客が減少している現状に触れ、「地元観光業への影響が大きい」と早期整備を要望した。
現時点で着工時期は未定のままだが、県は検討会の意見も踏まえた上で、早ければ来年2月の「霧島山火山防災協議会」で具体的な整備スケジュールを示したい考えだ。
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