後半戦粘り発揮 今シーズン総括
2010年11月30日
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サッカーの日本フットボールリーグ(JFL)は28日に全日程を終了した。本県のホンダロックは10勝12分け12敗の勝ち点42、13位でJFL復帰2年目のシーズンを終えた。9カ月にわたった今季の戦いを振り返る。(運動部・久保野剛)
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口蹄疫の影響で、無観客試合や夏場にアウェー試合が続く厳しい日程を乗り越えて健闘したといえる。一方で選手に「頑張ればもっと上へいけたとの悔しさがある」(DF白川伸也)のは、前半戦で勝ち点の取りこぼしが多かったからだろう。
3月のブラウブリッツ秋田戦は2―1で迎えた後半45分に追い付かれた。ほかに2―2で引き分けた4月のホンダFC戦や、1―2で敗れた5月の栃木ウーヴァFCなど計5試合で試合終了間際に失点した。
仮にこれらの失点がなければ勝ち点を9も積み上げることができ、順位も今季の目標「10位以内」を達成できていた。シーズン前半は広池寿監督が「もったいない」と嘆く場面が多かった。
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総得点36、総失点39。34得点で38失点、9勝13分け12敗の勝ち点40で13位だった昨季と戦績はほぼ同じ。数字上は成長の跡が見られない。しかし昨季3度あった連敗が、今季は1度。勝ち星もJFL通算4季目で初の2けたに到達した。
特にシーズン後半は攻守がかみ合い7勝4分けと、前半の3勝8分けから大きく勝ち越した。8月の流通経大戦は0―2からMF前田悠佑の2ゴールなどで逆転勝ち。続くFC琉球戦も0―1から試合をひっくり返すなど、前半戦では見られなかった粘り強さが出た。
21日のホーム最終戦の後、司令塔の前田は「今になって良くなってきた。やりたいことが少し見えてきた。ここで終わるのはもったいない」とシーズン終了を惜しんだ。故障者が続発する中、後半戦の戦いぶりはチームのポテンシャル(潜在的能力)の高さをうかがわせた。
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JFL3季目への課題は何か。今季果たせなかった10位以内に向け、広池監督は「守りを固めた相手をどう崩すか。連係と個人技を高めないと」と語り、司令塔の前田は「ボール保持率のアップ」を挙げた。
そのためにはもっと練習が必要。戦術の確認や体力強化など、次戦に備えてリーグ期間中の練習量(時間)を増やす必要がある。新戦力を加えただけで上位に入れるほど、JFLは甘くない。
就業時間後の夕方に1~2時間練習する現状を来季も続けるか否かはチーム次第。ただホンダロックの社名を掲げて参戦している全国リーグで下位に居続けることは、企業イメージの低下につながることを肝に銘じておかねばならない。
【写真】FW陣トップの5ゴールを挙げたホンダロックの首藤啓祐(中央)=10月31日、対ジェフリザーブズ戦、宮崎市生目の杜運動公園陸上競技場