サッカーで支援したい 福島のチーム以前所属、首藤さん
2011年3月29日
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「サッカーを通じて東日本大震災被災者の力になりたい」。福島市のサッカーチームに以前所属していた日本フットボールリーグ(JFL)・ホンダロックの首藤啓祐さん(26)は、被災した多くの知人の顔を思い浮かべながら、懸命な支援活動を続ける。4月3日に宮崎市で開く被災地支援のチャリティー試合(入場無料)では、復興への祈りを込めてピッチを駆け回るつもりだ。
首藤さんは2008年から1年間、JFL昇格を目指す「福島ユナイテッドFC」に在籍。福岡市出身の首藤さんにとって、初めての九州外での生活で不安もあったが、周囲は「温かい人ばかりだった」。ホンダロックに移った首藤さんのプレーを見るため、本県まで足を運ぶ熱心なサポーターがいるほどだ。
震災発生後の映像では、試合で訪れた東北の街が次々と津波にのみ込まれていた。数日後、ようやく現地にいた旧チームメートと連絡が取れ「地震で実家が壊れた」「人がいない。暗い。食料がない」と惨状を聞いた。親交の深い知人全員の無事を確認したが、サポーターの安否は分からず「頑張って」と伝えるのが精いっぱいだった。
もどかしさが募る中、選手会に募金活動を働き掛けた。快諾を得て、19日に宮崎市中心部でサッカー部員と社員が参加して活動。多くの市民が協力する姿に「今できることをするしかない。サッカーでも支援できる」と確信。思いはチームに伝わり、チャリティー試合の開催が決まった。
宮崎市の生目の杜運動公園で4月3日に開くチャリティー試合「ホンダロック」―「Vファーレン長崎」戦は午後1時開始(開場は午前10時)。「一日も早い被災地復興のためプレーする」。現地に思いが届くよう、首藤さんは多くの来場者を待っている。
【写真】「サッカーを通じて被災者の力になりたい」と話す首藤さん