宮崎、都城震度5弱1週間 日向灘震源、地殻変動も確認
2019年5月17日
宮崎、都城市で10日に震度5弱の地震が発生してから17日で1週間がたった。本県では10日以降、震度5弱以外にも日向灘を震源とする震度4〜1の地震を16日までに9回観測。気象庁は一連の地震について南海トラフ巨大地震との関連性は否定しているものの、県内の専門家は日向灘では過去、周期的にマグニチュード(M)6以上が起きていることから、今後、M7クラスの大地震が発生する可能性があるとして、引き続き警戒を呼び掛けている。
震度5弱は10日午前8時48分ごろ発生。震源は日向灘で、地震の規模はM6・3だった。京都大防災研究所宮崎観測所(宮崎市加江田)は、地震直後から同観測所などの観測点が東向きに約1センチ動く地殻変動を確認しており、同観測所の山下裕亮助教は「典型的なプレート境界地震と確認できる」と分析している。
気象庁などが地震波形などを精査したところ、10日はM6・3の直前に起きたM5・6の1分後にM4・4が発生し、同市などで震度2を観測していたことが新たに分かった。午前8時52分ごろには同市で震度1の地震が発生していたことも確認。いずれも震源は日向灘だった。ただ、日向灘の地震活動は13日に大分などで震度1を観測して以降、減衰傾向という。
フィリピン海プレートが大陸側に沈み込んでいる日向灘では、過去にもM7〜6の地震が多く発生。1996年にはM6・9(10月)とM6・7(12月)が起き、県内で最大震度5弱を観測した。
山下助教は「過去多くの地震で前震を伴っている」と指摘した上で「日向灘は国内で地震のリスクが最も高い場所。今回(10日の震度5弱)を前震と捉えた場合、今後もM7クラスの地震に注意が必要だ」と警戒する。
県内では16日、JR九州が川南町の日豊線川南?高鍋間で大規模地震を想定し、障害者らが参加した避難誘導訓練を実施。国富町や串間市の小中学校でも避難訓練があり、避難経路などを確認した。
【写真】障害者らも参加したJR九州の避難訓練で、車両から乗客を運び出す参加者=16日午後、川南町平田
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