全国的に少数 女性の牛専門獣医師 夫と二人三脚で西諸の畜産を支える
2017年10月05日掲載
森 千穂さん(36歳/小林市)
森動物病院 獣医師「畜ガールズ」九州・沖縄ブロック長
全国的に少数 女性の牛専門獣医師
夫と二人三脚で西諸の畜産を支える
小林市の森千穂さんは、牛専門の産業動物獣医師。主に西諸地区の畜産農家に診療車を走らせ往診、体重500キロもある牛と向き合っています。牛の命に関わる尊い仕事は病気やケガの治療、お産の介助や手術と多岐にわたります。休日や深夜の急患対応も多くハードな毎日ですが「信頼し合える農家の喜ぶ顔や、携わった牛の元気な姿が励みです」と日々奮闘しています。
実家は和牛繁殖農家で、幼少期から牛は身近な存在だった森さん。高校生の頃、往診する獣医師の姿に憧れ、「手に職を」という母親の助言もあって、宮崎大学農学部獣医学科へ。大学院にも進学し、研究を深めていましたが、臨床の道に進むことを決意。その後、同じく獣医師で同僚だったご主人と結婚。「自分たちのペースで、常に農家と牛に寄り添える獣医でありたい」と、2014年に開業しました。
夫と“二人で一人前”
支え合い、補い合う
獣医師として「もっと往診に行きたい」という強い思いもある反面、現場は体力勝負な上、常に危険と隣り合わせという厳しい現実も。「よき理解者でもある主人と二人三脚で歩んでいきたい。だから今の自分にできることを精いっぱい務めたい」と、仕事との向き合い方を一部シフトチェンジ。病院の経理や事務作業もこなすかたわら、畜産に携わる女性が仕事と家庭を両立できる環境づくりを応援する「産業動物に興味のある女性の会(通称=畜ガールズ)」の九州ブロック長として活動をスタートしています。
「できることも、できないこともある。良いバランスを見つけて自分らしく寄り添いたい」と笑顔で話す森さんの周りには、いつも優しさと愛があふれています。