“食”で子どもたちの未来支える

2018年12月06日掲載

細野彩美さん

『株式会社つぼみ』 代表取締役

29歳/川南町

〝さんきょうみらい豚(とん)〟の販売部門を担当する会社「つぼみ」の代表取締役・細野彩美さん。豚肉を通して生産者や消費者とつながり、子どもたちの未来を支える仕事に取り組んでいます。

 川南町の国道10号沿いを進むと“さんきょうみらい豚”の大きな文字。地元の人たちに味わってもらいたいとの思いで設立された『つぼみ』の事務所と精肉・加工品の直売店です。若き代表取締役の細野彩美さんは、日々営業活動に励んでいます。
 豊かな自然に囲まれた都農町で養豚業を営む両親のもとに生まれ、中学で始めたソフトボールで高校、大学に進学し、卒業後は県内の中学校や高校で保健体育の講師として教育に携わりました。そんな折、さんきょうみらい豚の生産農家の1人である父・修二さんから「もっと販売に力を入れたい。一緒にやってくれないか」と打診されます。悩んだ末、地元へ戻り一念発起。会社を設立したのが平成28年8月、27歳の時でした。

 “さんきょうみらい豚”は、3戸の養豚農家が生産する飼料からこだわったブランド豚。「参加する人たちが協力し、味蕾(みらい=未来)に恥じない豚肉を」との思いから名付けられました。「地元をはじめ県内の人たちに、この豚肉をもっと食べてもらいたい」と、精肉はもちろん加工品も取りそろえて直売所を開設。イベントに出店したり、スーパーで試食販売をしたりしながらファンを増やしています。「加工品では肉感たっぷりのギョーザが人気。『これがあれば満足なのよ』と言ってくれるおばあちゃんもいるんです」と笑みをこぼす細野さん。一方で「あなたの笑顔を見に来たのよ」と来店する常連客も。販売部門の設立で消費者との接点が増え生の声が届き、生産者の喜びと商品の向上につながったそうです。

 「前職で子どもたちに教える経験をし、今も“食”という形で子どもたちの未来につながる仕事ができることがうれしい。将来は食育活動にも取り組みたい」と話す細野さん。今も続けるソフトボールの練習や試合でリフレッシュしながら、“さんきょうみらい豚”の未来と自身の夢を重ねてまい進しています。

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