海外生活を生かし、日本食の魅力や 「みそとしょうゆ」の素晴らしさを国内外に発信
2020年12月03日掲載
長友 陽子さん
『長友味噌醤油醸造元』 四代目女将
約140年の歴史を誇る老舗醸造所『長友味噌醤油』。専務の長友陽子さんは、アメリカ留学、外資系銀行勤務、ご主人とともにシンガポール駐在という海外に携わる経歴の持ち主です。シンガポールにいるころに三代目である父が倒れ「途絶えさせるわけにはいかない」という言葉を機に、10年ほどの海外生活に区切りを付け、青島へ戻ってきました。母を支えながら生まれたばかりの子の子育てに奮闘。そして、ご主人が残るシンガポールと青島を子どもと行き来する日々が3年続き「本当に大変だった」と、当時を振り返ります。先代が他界し、本腰を入れて後を継ぐため、ご主人も長年続けた仕事を退職し青島へ。
製造業務の傍ら、新たなことにもチャレンジしてきました。
みそ・しょうゆは魅力的
日本人のみそ離れを危惧し、7・8年前から幼稚園・保育園に赴き、みそ造り教室を続けています。「園児たちが作業し、完成したみそは卒園式の日に家に持ち帰るそうで、小学校入学式の朝に、そのみそ汁で送り出すという声を聞き、とても感動しました。ライフワークとしてこの活動も続けていきたいですね」。
世界中で日本食が注目される中、10年前に大手デパート主宰の海外物産展に出店するチャンスが到来。シンガポールではその食文化を知るところもあり、リピーターが増え販売が軌道に。しかし今年は、コロナウイルス感染拡大の影響を受け、海外販路が途絶えました。そんな逆境の中でも、今春完成した新商品「手作りみそキット」を使ったオンラインみそ造り教室や少人数でのワークショップを行うなど、新たな道を展開しています。
「九州地方特有の“甘いしょうゆ”や栄養価が高く使い勝手の良い“みそ”の魅力を広めたい。海外への販路拡大にも再びチャレンジしたいですね」と、これからも日本の食文化の大切さを発信し続けます。