絵や芸術を通じて新しい世界を教えてあげたい
2021年09月02日掲載
寺本 香織さん
アトリエ三美 代表
宮崎市で絵画教室を開いている寺本さんは、大阪で育ち4歳から絵画を始め、子ども時代も反抗期も絵と共に過ごしてきました。高校2年生の冬に、「全日本学生美術展」で出展する油絵を制作していた際「絵を描くことは自分にとって必要で、今ここでやめたらいけない」と思い、美術大学への進学を決意。洋画学科で油絵を学び、フィンランドのヘルシンキ芸術デザイン大学へ交換留学を経験しました。そこで、各国から来ていた留学生と出会い、「ヨーロッパとアジアでは物事に対する熱量や意識が違う」と感じた寺本さんは、アジアについて知りたいと思い、卒業後はアジア諸国に支社を持つ企業に就職。中国の支社で営業職として働き、社内で出会った男性との結婚を機に退職。上海で子育てをしながら現地の絵画教室で講師を務め、7年前にご主人の転勤により宮崎へ移住しました。
個性を大事にする絵画教室
近所の友だちに絵を教えていて「子どもにとって絵を描くことは大事なことなんだ」と思ったことがきっかけで『アトリエ三美』を開く決意をしました。
教室では、絵を描くことを教えていて、50色クレヨンや絵の具、身近な物を使い、みんなそれぞれの作品と向き合っています。「人はみんな違って当然なので、個性を大事に扱ってあげることを重視しています。制作を通して新しい世界へ連れ出してあげたいです。そのために、個人の良いところを逃さず拾えるよう、常に感覚を研ぎ澄ませています」と寺本さんは話します。
「作品は作ること自体に意味を持ちますが、それを飾り、見てもらうことで成立します。また、エネルギーそのものである子どもたちの作品は、今の時代にとって必要なものです。そのため、世界中を元気にできる『アトリエ三美』の作品展を日本だけでなく海外でも開くべきだと考えています。画家としての活動を深めたい気持ちはありますが、わが子や教室に来てくれる子どもたちを守ることを一番に、働くママの格闘はこれからも続きます」と、笑顔で意気込みを話してくれました。