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【特集・宮崎大会】夢舞台をつかめ<3>

【都城西】川上 武大

全国高校野球選手権大会  昨年の全国選手権宮崎大会1回戦(福島戦)で大会新の17三振を奪い、一躍脚光を浴びた都城西の川上武大がさらにスケールアップを遂げた。この1年で身長168センチは変わらないが、体重は10キロ増えて78キロ。球速も6キロアップし138キロに伸びた。成長を続ける“ドクターK”は「進学校でも勝てることを証明する」と闘志を燃やす。

 平日の練習は夏場が3時間、冬場は2時間にも満たない。帰宅後も宿題に追われる毎日。「もっと練習がしたい。野球に力を入れている私立高がうらやましい」と漏らすが、体育教師を志して同校に進学したことを後悔していない。文武両道を追求し、時間を有効に使うことで自らを高めてきた。

 鹿児島県曽於市末吉町の自宅から学校まで片道11キロの距離がある。ミニバイク通学が認められているが、冬場は体力づくりのために自転車で通った。

 体調管理にも注意し、疲れて帰宅するとすぐに就寝。睡眠時間を確保した上で、早朝に勉強した。

 何より豪腕の下地を築いたのは、入学時から変わらない向上心。1年秋、自信を持つ速球が強豪に通用しなかった。「カーブと直球だけでは厳しい」と、プライドを捨てて変化球の習得にまい進。2年の春、右打者の外角に沈むスクリューを身に付けた。投球幅がぐんと広がり、一気に奪三振率が高まった。

 3月の九州地区大会県予選では3試合を戦い、2試合完封。44個の三振を重ねた。甲子園を目指す川上は決して満足することなく、今春にはチェンジアップをマスターした。

 これまで打線の援護がなく上位進出を果たしていない。餅原裕士監督から「6試合完封しろ」と命じられた川上は、6月上旬の2週間を走り込みに費やした。「変化球は県内で誰にも負けない。三振を狙う強気の投球で勝ち進む」。チームの運命を一身に背負い、開幕戦(宮崎学園戦)のマウンドに立つ。

【写真】三振を狙う強気な投球で都城西を引っ張る川上武大

アーカイブ

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2008年07月03日付 大会展望-好投手そろい混戦 上位シード勢一歩リード
2008年07月01日付 夢舞台をつかめ<5>-【日南学園】有馬翔 中崎雄太
2008年06月30日付 夢舞台をつかめ<4>-【宮崎日大】宇戸 直哉
2008年06月29日付 夢舞台をつかめ<3>-【都城西】川上 武大
2008年06月28日付 夢舞台をつかめ<2>-【都城東】上田 翔也
2008年06月27日付 夢舞台をつかめ<1>-【宮崎商】赤川 克紀