【特集・宮崎大会】夢舞台をつかめ<1>
【宮崎商】赤川 克紀
高校野球の第90回全国選手権記念宮崎大会は7月5日に開幕する。投手力の優れたチームが多く、中でも左腕は好投手ぞろい。注目の5校6投手を紹介する。
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184センチの長身を生かした豪快なフォーム。そこから繰り出す県内最速の直球が、赤川克紀(宮崎商)の誇る武器だ。今春の九州地区大会県予選準決勝では自己ベストの147キロをマーク。3回を9人4奪三振に封じ、好調時は圧巻と呼ぶにふさわしい。
その一方で、昨年の宮崎大会準々決勝は四回途中7失点で降板。勝負どころで踏ん張れず、あっさり打ち込まれる試合も少なくない。豊かなセンスを感じさせる分、自他を納得させる結果はこれまで残せていない。
夏の前哨戦・県選手権(5―9日)も制球が乱れ、1回戦コールド負けを喫した。「最近、三振が取れなくなった」。ふがいなさに、たどり着いた決断がモーション変更だった。
頭上に腕を振り上げる形から、胸の前にグラブを運ぶノーワインドアップに変えた。体の軸が安定し、思った以上にしっくりきた。「制球力が上がった。ひじが振りやすく、球威も落ちていない」
14日には昨秋の福岡王者・沖学園を相手に8回1失点、四死球も1と確かな感覚を手にした。それでも「打たせてアウトを取ることが大事。三振は二の次」と冷静だ。
1年の秋、九州地区大会県予選で30イニングを投げ防御率0・00、46奪三振。「リズムが良かった」と胸を張る内容で準優勝。チームを71季ぶりの九州大会に導いた。あのころより球速は10キロ伸びたが、高校ではいまだ優勝旗を手にしていない。
ボールが甘くなり痛打された昨年夏。ライバル視する同じ学年で同じ左腕の有馬翔、中崎雄太が甲子園を沸かせた試合をビデオで見た。「自分があの場所に立つ」。その思いをかなえるため、最後の夏は何よりも勝利にこだわる。
【写真】最速147キロの速球が武器の宮崎商・赤川克紀。チームを39年ぶりの甲子園に導けるか
アーカイブ
2008年07月24日付 大会総評-宮崎商堅守で頂点 ノーシード校躍進2008年07月03日付 大会展望-好投手そろい混戦 上位シード勢一歩リード
2008年07月01日付 夢舞台をつかめ<5>-【日南学園】有馬翔 中崎雄太
2008年06月30日付 夢舞台をつかめ<4>-【宮崎日大】宇戸 直哉
2008年06月29日付 夢舞台をつかめ<3>-【都城西】川上 武大
2008年06月28日付 夢舞台をつかめ<2>-【都城東】上田 翔也
2008年06月27日付 夢舞台をつかめ<1>-【宮崎商】赤川 克紀