常に新しい技術を取り入れ進歩し続ける
2019年03月07日掲載
鈴木 香さん
『Bell・Art』主宰
宮崎市でアメリカンフラワーの教室『Bell・Art』を開く鈴木香さん(48歳)。講師や制作の依頼を多数こなす忙しい日々でも、朗らかな笑顔と向上心を忘れず、誰かの心を潤す作品を作り続けています。
鈴木さんがアメリカンフラワーと出合ったのは10代の頃。雑貨コーナーで見掛けた精巧で美しい造花に心動かされ、数年後、たまたま見かけたカルチャースクールのチラシで再会を果たしました。2年ほどスクールに通った後「もっと自由に自分の作品を作ってみたい」とアメリカンフラワーの協会に加入。協会の認定講師から常任教授となった今も、花に限らず、鳥や昆虫などさまざまなモチーフでの作品づくりを学び続けてきました。「人とかぶらない、ユニークな発想」にこだわる鈴木さんのポリシーは、その作品から見て取ることができます。毎年春に開催される「アメリカンフラワー九州作品展」では、アクリル板や木の板などの異素材を組み合わせるなど、豊かなアイデアでみせる物語性の高い作品を出展。花瓶に生け込んだ花を繊細に表現するアメリカンフラワーから一歩進んだ壮大な世界観が表現されています。そんな鈴木さんの作品が来場者の目に留まり、新たな仕事につながることもあるのだそう。「『あなたの感性で作品を作って欲しい』と依頼を受け、納品後とても喜んでいただいたことは、自分の中でも特別な思い出として心に残っています」。
一方、鈴木さんの教室では、生徒それぞれが自分のペースで創作に取り組んでいます。鈴木さんは特に課題を設けず、それぞれの「こういう作品を作りたい」という気持ちを大事にすることを心掛けています。「自分にはない発想に触れられて面白いですし、私の色に染めるのではなく、一人ひとりのカラーを引き出したいんです」。今後の目標は、長く楽しく続けていけるよう、そしてどんなアイデアも形にできるよう、常に新しい技術を取り入れて進歩し続けること。そう話してくれた鈴木さんの柔らかな笑顔には、内に秘めた情熱がにじんでいました。