「第一に子ども、仕事はその次」
2019年10月03日掲載
福島 光代さん
『福島精肉店』専務取締役 『肉のふくしま』店長
創業100年以上を誇る『福島精肉店』の専務取締役、総菜店『肉のふくしま』の店長も務めます。3人の子どもの母としてPTA活動にも積極的。毎日を分刻みで駆け抜ける活力の源は?(46歳/都城市)
九州産黒豚コロッケをはじめとするおいしい手作り総菜は『肉のふくしま』の人気商品。福島さんは週に3日は店に一番乗りし、コロッケに使うジャガ芋の仕込みから業務をスタート。店舗での接客や伝票整理、時には県外まで営業に出向くこともあります。2008年に開発したオリジナル調味料“スパイス喜(よろこび)”は、発売2年後に関西テレビで紹介され一気にヒット。他社とコラボした商品開発にも積極的に取り組み、その毎日はまさに分刻みのスケジュールです。
営業面の拡大と同時に取り組んだのが、女性が働きやすい職場作り。「仕事のチャンスは逃してもきっとまた巡ってくる。でも子どもの“今”は一生に一度。見逃さないで、しっかり関わってあげて」と福島さんは女性スタッフの背中を押し続けてきました。その結果長期勤務のベテランスタッフが増え、業務がスムーズに。気持ちよく笑顔の接客ができる職場に変わっていきました。「第一に子ども、仕事はその次!」と明言してはばからない福島さん自身も、PTA役員など依頼があれば快諾。「親が学校と積極的に関わることは、きっと子どものためになりますから」。
25歳で老舗精肉店に嫁ぐにあたり、眼科病院で働く視能訓練士の仕事を志半ばで離れざるを得なかった福島さん。「やるからには!」と精肉業務も子育ても全力で走り抜けてきましたが、昨年大病で生死の瀬戸際を経験。「一度死んだも同然。第2の人生をもらったと思って、これからは仕事以外もやりたいことをやろうと思えるようになりました」と語る背景には、自分が不在の間のスタッフの成長、家族の絆がありました。
紛れもなく、福島さんの活力の源は「3人のわが子たち」。巣立ちの気配に少しの寂しさを感じながら、公私ともに充実した日々を送っています。