趣味だった空手〝ライフワーク〟に
2019年11月07日掲載
俵 志穂さん
空手指導員 管理栄養士 1児の母
世界を旅した末、幼い頃から続けてきた空手をライフワークに。走り始めたばかりの母の道、指導者としての道。「子育てを理由にやりたい事を妥協しない」その意気込みを聞きました。(29歳/宮崎市)
高鍋町で発足し、各国に支部をもつ「ユニバーサル松濤館(しょうとうかん)空手連合」。俵志穂さんは今年4月から宮崎市にある道場で空手指導の手腕を振るっています。「考え方、生き方、私の根底にあるのは全て空手で培ったもの。勝つ楽しさだけでなく、精神理念も伝えていきたい」と情熱は人一倍。
4年前、空手で世界を飛び回る師匠の影響もあり、「私も空手を海外に広める活動がしたい」と一人で旅に出ることを決意した俵さん。各地の支部道場を訪ね歩いたり、現地の子どもたちを誘って青空の下で指導を行ったり、時には集まった百人以上の現地人を相手に声を張り上げながら指導することも。30カ国余りを巡る旅の中で、世界に通用する空手の素晴らしさを実感するとともに、それをなりわいとする現地指導者の生き方に共鳴。食べることも好きで、管理栄養士の資格を生かした仕事に就き、あくまで趣味の範囲で空手を続けていくつもりだったものの、その経験で考えが一変。空手を〝ライフワーク〟にすると決め、帰国後に宮崎道場での指導を自ら志願しました。
現在、俵さんは週に2〜3回、1歳のわが子とともに道場に通う生活を送っています。初めての育児に追われながらも、自分自身がやりたい事を我慢せず、どうすれば実現できるかを模索する過程を積極的に楽しんでいるそう。「先日初めて娘と2人きりで海外に行ったのですが、ハプニングに見舞われた際、無邪気に笑う娘を見て私も冷静になれたんです。『良い相棒をもったな』とつくづく思いました。そんな彼女には、“わが子”だからというより“一人の人間”として、感謝を忘れず、共に歩んでいきたいです」と話します。
子どもにも、自分自身にも、等しく誠実であろうと日々奮闘する俵さん。その挑戦は、まだ始まったばかりです。