「自信」と「現場で生きる力」を
2020年02月06日掲載
迫田 真紀子さん
宮崎調理製菓専門学校 副校長、船塚アフタースクール マナビヤ代表
1963年に祖母が開校した調理の専門学校で、副校長を務める迫田真紀子さん。20代の頃は宮崎を離れたものの、校長である母・常盤真知子さんの要請を受けて2007年パティシエ科新設を機に経営に携わることに。お菓子作りが大好きで、フランスで学んだ経験もある迫田さん。「料理教室や家庭科の授業の延長ではない、“専門的な学び”を提供する場にしたかった」と、立ち上げ当時のことを振り返ります。「最初の授業では“フレジェ※”をやり、フランス語の製菓用語で教える、と決めていました。新入生には耳慣れないかもしれないけれど、パティスリーでは一般的。学生には現場で本当に生きる知識や感覚を身に付けてもらいたい! 今も変わらないこだわりです。私たちの愛情が伝わっているのか、彼らも懸命についてきてくれるのがうれしいですね」。
地方教育の底上げに情熱
迫田さんの視野は専門学校の中だけにとどまらず、昨年の秋には、未就学児と小学生向けに英語のアフタースクールを開校しました。「都市部に比べ、地方では英語を学ぶ場が少ない。教育格差が埋まらない現状に危機感を抱いています。“宮崎の教育の底上げ”と言ったらおこがましいけれど、そのためにできることはやっていきたい」と、自身の挑戦について語ります。「本校は都心に引けを取らないレベルを維持しているという自負があります。学生には『宮崎だから』と引け目を感じることなく、胸を張って旅立って欲しいんです」。
県外に就職を果たした卒業生が、帰省の際などに顔を見せに訪れることもしばしば。社会で成長を遂げ、「楽しかったなあ」と学生時代を懐かしむ彼らを見るたび、迫田さんはやりがいをかみしめます。
※カスタードにバターを加えた「クレーム・ムスリーヌ」とイチゴを、アーモンドパウダーたっぷりのビスキュイ・ジョコンド生地で挟んだフランスで定番のケーキ