アスリートの知識生かして

2020年03月05日掲載

　宮崎空港近くに“バリニーズマッサージ”のサロンを構える重永さん。アロマの香りとバリ島を連想させるゆったりとした音楽の中、「ほとんどの人がいつの間にか眠ってしまう」というオールハンドの施術が魅力です。「何かしら不調を抱えて来られる方も、施術が終わると晴れやかな顔に。その表情を見ると、私も幸せな気持ちになります」と話す重永さんは、なんとセラピストになる以前は、ジェットスポーツの選手として全日本大会タイトルを獲得したこともあるアスリートでした。水上オートバイにまたがり、時速１００キロ近いスピードで海面を駆け巡る過酷なレースを乗り切るため、体づくりについて研究を重ねた日々が今に生かされています。「バリニーズマッサージは、体にしっかり圧をかけて筋肉の奥にあるリンパにもアプローチします。アスリート時代の知識があるからこそ、この施術がいかに効果的か分かるのです。さらに、体の不調は筋肉量の不足や栄養の不足からくることも。お客様が希望されれば、必要に応じてトレーニングや食事のアドバイスをすることもあります」。

快適な空間づくりにこだわり

　重永さんのサロンでは、お客さんの退出から次の予約までの時間を必ず“1時間30分”は設けるようにしています。「いつも“ちり一つない最も清潔な状態”で迎えられるよう、お客さまが帰られる度、トイレや浴室含め徹底的に掃除をします。拭いて、磨き尽くすには、それだけの時間が必要なんです」。アスリート引退後、ホテルでマネージャーを6年間務めあげた経験もあり、もてなしや衛生面に対する意識も人一倍。「どんな仕事も良い勉強になる」と笑う重永さんにとって、同サロンは異色の経歴で得た学びの集大成。並々ならぬ情熱を優しく朗らかな物腰の影に併せ持ち、今日も目の前のお客さんと誠心誠意向き合います。