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病気克服し営業再開 平和台ホットドッグ 「帰ってきてくれてありがとう」

2016年6月4日掲載

平和台公園で営業する中原サチ子さん(右)。約8カ月ぶりに復帰し、触れ合いを楽しんでいる

 おばちゃん、お帰り-。宮崎市の平和台公園で約40年親しまれてきた移動販売車「ヤング食品」が、約8カ月の休止を経て営業を再開した。店を切り盛りする中原サチ子さん(77)=同市大塚台西1丁目=が大病を患いながらも復帰。名物はキャベツたっぷりのホットドッグ(250円)で、復活を喜ぶ常連客と触れ合う中原さんは「またお客さんと話をできることがうれしい」と、仕事に精を出す。

 1976(昭和51)年に同公園で販売を始め、「ほとんど休んでいなかった」という中原さんは昨年6月、リンパ腫が発覚。7月に入院するまで営業を続けた。

 病院では「平和台のおばちゃんですよね」と声を掛けられたこともあり、「顔を知ってもらえてて、うれしかった」と振り返る。抗がん剤治療などに耐え、12月に退院した。

 ただ、思ったより体力が回復せず、2月の復帰予定を延期。4月に常連客の勧めで、市内の催しに2日間だけ出店すると、体力の回復に自信を得られた。そして「いろんな人とおしゃべりできて楽しい」と実感。「もう少し休んで」という家族の反対を押し切り、同月8日に復帰した。

 「帰ってきてくれてありがとう」。中原さんを見て駆け寄る来場者は後を絶たない。40年来の友人という時任稔子さん(67)=同市吾妻町=は「県内外にファンがいて、みんなの思い出に残っている人。戻ってきて公園が活気づいた」と目を細める。

 中原さんは「主治医から、あと10年は大丈夫と言われた。お客さんがいるうちはやめる気はない。今まで通り楽しませていきたい」と毎日笑顔で出迎える。