草葉の先で羽を休める雄のハッチョウトンボ=5日午後、高鍋町上江・高鍋湿原
高鍋町上江の高鍋湿原で、初夏の訪れを告げるハッチョウトンボが飛び交い始めた。体長は約2センチと国内のトンボ類で最小だが、目を凝らすと鮮やかな赤色を草葉の先端に見つけ出すことができる。
西側の湿原に広く生息している。雌雄で色が異なり、赤が雄、黄色と黒のしま模様が雌。雄同士の縄張り争いや交尾のほか、ハッチョウトンボを捕食しようと、やや大型の白っぽいシオカラが飛ぶ様子など、さまざまな生態を遊歩道から観察できる。
同湿原のボランティアガイドを務める同町北高鍋の山本重美さん(72)によると、4月17日に雌を、20日すぎに雄を初確認した。平年よりやや早いという。
山本さんは「活発に飛ぶのは午前10時から午後2時ごろ。雨が降らなければ曇りでも飛ぶので、小さくてかわいらしいトンボを見に来てほしい」と話している。