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「ドボジョ」が活躍  新たな担い手、業界歓迎

2017年4月24日掲載

建築現場で活躍する女性の塗装職人チーム=宮崎市

 県内の建設現場で働く女性が活躍の場を広げている。力仕事中心の男性社会だった業界で「けんせつ小町」「ドボジョ」(土木系女子)の愛称で注目を集め、業者によっては、女性だけの「職人チーム」を養成し、現場に派遣しているところも。近年は公共工事急増で技術者・職人不足が深刻化、今後の人口減による担い手確保の問題があり、男女関係なく優秀な人材を登用したい業界の変化がある。

 県建設業協会(山﨑司会長)は会員498社を対象に初めて女性技術者の雇用状況を調査。2014年4月時点で97人が雇用され、前年同月時点までさかのぼった人数と比べ6人増加した。

 宮崎市の建築・塗装業者スイケン(長峰広志社長)には女性だけの塗装職人チームがある。7年前に1人から始まり、今は4人で一般住宅やマンションなど年間30棟以上で足場を組んで施工。きめ細かな作業が好評という。

 リーダーの長野瑞穂さん(33)は「男性職人が気づかないような点にも配慮し、施工中は洗濯物干しなど家事を制限しないように段取りしている。女性が現場に立つことで施工主の奥さんから親近感を持たれる」と話す。

 長峰社長は「女性職人チームは全国でも珍しく女性活躍推進の流れから問い合わせが相次いでいる。社員の多くを女性が占めており、出産、育児から復帰できる社内環境づくりが欠かせない」と対策も進めている。

 現場監督として奔走する女性もいる。日向市・旭建設の土木技術者としてトンネルや橋の補修工事などに当たっている岡田久美子さん(39)は「生活に欠かせないインフラを適切に守るという使命感とともにやりがいを感じている。3K職場だった建設業はイメージチェンジしており、どんどん女性技術者に参入してほしい」と呼びかける。

 女性は技術者全体の割合では2%にすぎないため、県建設業協会の山﨑会長は「まだまだ少ない。技術者、職人不足、高齢化で担い手として女性活躍の意義が増しており、女性技術者の支援にも力を入れていきたい」としている。