五ケ瀬町三ケ所で見つかった国指定の天然記念物ヤマネ(後藤猛英さん提供)
国の天然記念物に指定されているヤマネが、五ケ瀬町三ケ所の山林で2日までに見つかった。県総合博物館によると、野生のヤマネが生きた状態で発見されるのはまれで、研究者でもほとんど見たことがないという。
見つけたのは、同町三ケ所の林業後藤猛英さん(74)。後藤さんが1日、所有する自宅近くの山でスギを伐採していたところ、木の穴に入っていた体長約10センチのヤマネが飛び出てきた。うずくまっていて動きは鈍く、その後、逃げて行方が分からなくなった。
後藤さんは「最初はネズミと思ったが、インターネットで調べてヤマネと分かった。うまく山へ帰ってくれるといいが」と驚いた様子だった。
県総合博物館の横倉康浩主査は「夜行性で体も小さいため、ヤマネはふんを見つけて生息を確認しているくらい貴重。冬眠前で栄養を蓄えていたため、動けなかったのではないか」と話している。