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「日常に笑いを」消しゴムはんこ SNSで公開、反響

2017年3月18日掲載

「安倍マリオ」

 「日常の中でクスッと笑ってもらえるような時間を」。宮崎市の主婦酒井美千代さん(44)は、3年前から消しゴムはんこを毎日1個作り、会員制交流サイト(SNS)で公開している。昭和のアニメキャラクターや有名人、時事ネタなどを題材にした作品に「当時を思い出した」「いつも楽しみにしています」といったコメントが寄せられる。「こんなことでも、誰かの喜びにつながっていることがうれしい」。はんこの数は千個を超えた。

 きっかけは、友人が消しゴムはんこを作っていたこと。「面白そう」と、試しに作りSNSで公開したところ、多くの人から「面白い」といった反響があった。「驚きや喜びの声をもっと聞きたい」-。気付くと、はんこ作りが日課になっていた。

 政治家やプロレスラー、プロ野球選手と、ジャンルは多彩。体がトランプの札になっているトランプ米大統領など、ひねりを効かせる。「見た人に『なるほど、そうきたか』と思ってもらえれば」

 SNSを通じて、地域のフリーマーケットなどへの参加依頼も舞い込むようになった。来場者に自作のはんこを押してもらうコーナーを設けると、幅広い世代から好評を博した。「まさか自分の作品でここまで喜んでもらえるとは」と、酒井さんは声を弾ませる。

 はんこ作りは酒井さん自身も笑顔にする。昨年4月、夫の転勤で都城市から宮崎市に転居。知り合いはほとんどいなかったが、SNS経由で同市の“ファン”から連絡が相次いだ。「食事や遊びに出掛ける仲間ができ、寂しさを感じずに過ごせた。幅広い年代の人と会え、喜びを感じているのは私かも」とほほ笑む。

 趣味で始めたはんこ作りをきっかけに、多くの人に笑顔をもたらした酒井さん。「『日常に一笑い』がコンセプト。忙しく暮らす人々が、ほっとするひとときを生み出したい」と、今日も彫刻刀を手に消しゴムと向き合う。