ホーム HAPPYNEWS 甲子園で父超える、延学・上野投手

HAPPYNEWS

甲子園で父超える、延学・上野投手 聖地のマウンドへ

2018年3月27日掲載

聖地のマウンドで“父超え”を誓う上野元基投手=26日午前、兵庫県伊丹市

 第90回選抜高校野球大会で27日に初戦を迎える延岡学園の上野元基投手(17)は、1992年の夏の甲子園に出場した延岡工のエース淳さん(43)の長男だ。淳さんは当時、1回戦に先発しチームも勝利を挙げた。元基投手は「父は超えないといけない存在」と、強い気持ちで聖地のマウンドに立つ。

 淳さんは延岡工3年時の夏に第74回全国高校野球選手権に出場。1回戦の郡山(福島)戦に先発し8回1失点と好投、チームは延長十一回サヨナラ勝ちを収めた。卒業後は社会人野球を経て、軟式野球部の強豪田中病院(門川町)へ就職。仕事をしながら選手、監督として全国大会や国体などで上位入賞を果たした。

 元基投手にとっては「幼いころから野球が身近にあった」。小学生の時に門川友愛クラブに入ると、4年時に投手をやりたいと監督に直訴。「父が甲子園に行ったときの写真やメダルが家にあり、かっこいいなと思っていた」

 淳さんは息子に投手としての基本をみっちりたたき込んだ。「試合をつくり、どんな時も我慢して投げ続けることが、相手に流れを渡さないためにも大切だと思う」と、エースとしての心構えを話す。

 元基投手が門川中に進学すると、淳さんからの指導は減った。考え方や方法などを示すだけで「いいと思ったことだけ取り入れればいい」と押しつけず、自分で考えさせるようにした。成功も失敗も体験を通して投手としての引き出しも増えた。成長を重ね、2年春と3年夏には2度の全国大会優勝を経験。ピンチでも動じないマウンド度胸や巧みな投球術を身に付けた。

 父について元基投手は「そこまで意識しないが、野球をやっている以上、超えないといけないと思う」と、必勝とともに“父超え”を誓う。「もうすでに超えられてる」と笑う淳さんは「精神的にも強いし、思い切って投げてほしい」とスタンドから晴れ舞台を見守る。