東十両2枚目にしこ名が載った番付表を持つ琴恵光関=31日午後、福岡市東区
「地元の誇り」「悲願の幕内へ」-。31日に発表された大相撲九州場所(13日初日、福岡国際センター)の番付発表で、自己最高位を大きく上回る東十両2枚目に就いた延岡市出身の琴恵光関(24)。新入幕も視野に入る地位への昇進に、地元の相撲関係者やファンからは期待の声が上がった。
9月の岩手国体で相撲の少年男子に出場した延岡星雲高1年の坂本将さん(15)は普段、琴恵光関が幼少時から相撲に親しんだ松恵山相撲道場(延岡市)に通う。坂本さんは「道場の先輩の活躍は誇りで励みになる。自分も全国で上位に食い込めるよう強くなりたい」と先輩の躍進に刺激を受けた様子。同じ国体選手で、琴恵光関の母校岡富中出身の丸山清志郎さん(15)=高千穂高1年=は「国体の成年の取組を見て全国レベルを肌で感じたが、大相撲はさらに別格の世界。そこで十両になり、さらに上を狙えるのはすごい」と手放しで喜ぶ。
松恵山相撲道場代表で、県相撲連盟の岩尾啓太理事長(53)は「宮崎から43年間新入幕がなかったのは、やはりアマチュアの底辺が狭いことに尽きる。琴恵光関が幕内に入ることで、興味を持ってくれる子どもが増えてほしい」と願う。一方で「あまり期待をかけても重圧になる。今の地位でじっくり地力を付けてから、ゆっくり幕内に上がってもいいのかも」と、かつての教え子への気遣いも口にした。
地元の琴恵光後援会メンバーで、自身もアマチュア相撲の選手だった鶴羽健造さん(70)=延岡市稲葉崎町=は、琴恵光関を小学校時代から知る熱心なファン。「決して体格的に恵まれているわけでないのに、本当に頑張っている」とたたえ、「いつ幕内に上がってもおかしくない。本県から長らく出ていない幕内力士誕生の悲願をかなえてほしい」と飛躍に胸を膨らませた。