県総合博物館に展示されている国内最大級の炭酸塩球状コンクリーション。発見した開地健一社長(右)と吉田英一教授=7日午後
25年前に宮崎市田野町の工事現場から発見され、建設会社が保管していた巨大な丸い岩が、約650万年前の海底で形成された国内最大級の「炭酸塩球状コンクリーション」であることが延岡市出身で名古屋大の吉田英一教授(57)=環境地質学=らの研究で分かった。14個あり、最大は直径約1.2メートル、重さ約2.5トン。7日から県総合博物館に展示されている。
1994年に、橋の新築工事で川床を掘削していた開地建設興業(宮崎市田野町)の開地健一社長(74)が深さ約3メートルの地中から発見。「恐竜の卵ではないか」と思い、会社で保管していた。昨年になって同社近くに住む兄を通じて“岩”の存在を知った吉田教授が確認した。
国内では本県と北海道、愛知県で見つかっており、こぶしほどの大きさが一般的。非常に硬く、時間がたつほど密度が高くなり強度が増す。県内では宮崎市青島や日南市・鵜戸神宮などの沿岸部を中心に見られる。
吉田教授は風化しにくい性質をコンクリート建造物の建設や修復などに生かすため研究を進めており、世界でも第一人者として知られる。「県内には多いが、全国的にとても珍しい物。自分の故郷にこんなに大きなものがあるとは思わなかった。丸い形や硬さに触れ、自然の不思議に興味を持ってほしい」と話した。