ホーム HAPPYNEWS 県庁「曳家」でお引越し

HAPPYNEWS

県庁「曳家」でお引越し 築90年超、約1カ月かけ移動

2017年11月28日掲載

県庁5号館を移設する「曳家」工事が始まった。建物をジャッキで支え、地面に敷いたレールの上を少しずつ移動させる=27日午前、宮崎市橘通東2丁目

 宮崎市にある築90年超の県庁5号館を、約1カ月かけて建物ごと70メートル移動させる「曳家(ひきや)」工事が27日、始まった。県文書センターなどとして長年親しまれてきた貴重な近代建築。動かし始める作業に時間がかかり、移動距離は24センチにとどまった。

 曳家工法は、建物の床下や周辺を掘削し、鉄骨の土台やジャッキで建物を支えて行う。建物の下に「ころ」と呼ばれる丸い鉄の棒を並べたレールを敷いており、この日は油圧式ジャッキで押して、少しずつ移動させた。今後は一日に3~5メートルずつ、最終的には県庁外来者第1駐車場があった場所まで動かす。

 これまであった場所に県防災拠点庁舎が建設されることになり、歴史的、景観的に価値が高いとして、解体せずにそのまま移設されることになった。同庁舎が完成する2019年度末以降、会議室などとして活用する計画。

 5号館は鉄筋コンクリート造り2階建て。1926(昭和元)年に旧宮崎農工銀行社屋として建設。86(同61)年に県が取得し、2015年まで県文書センターとして使用した。工事現場の囲いに透明の窓を設けており、作業を見学できる。