ニシタチの地域猫に善意で贈られたキャットフードを与える上野弘美さん=宮崎市中央通
宮崎市の繁華街「ニシタチ」で暮らす「地域猫」が腹をすかせている。新型コロナウイルスの影響で多くの飲食店が休業や廃業に追い込まれ、餌が行き渡らなくなったためだ。同市の動物愛護団体が支援を呼び掛けたところ、全国から多くの餌が寄せられた。
ニシタチには約200匹の猫がいる。3年前から猫に不妊去勢手術を施し地域で見守る地域猫活動が行われており、3分の2ほどの手術を終えた。飲食店主らが餌を与えていたが、新型コロナウイルス感染拡大で多くの店が休業。猫は餌がもらえなくなった。
現状を知った同市の動物愛護団体「宮崎ねこの会」が4月初旬、ホームページや会員制交流サイトで餌の提供を呼び掛けたところ、今月16日までに県内のほか、東京、大阪などから39件の申し出があり、多くのキャットフードが届いた。激励の手紙のほか、「餌やりの時に使って」とマスクが同封されたものもあった。
集まった餌は見守り活動を行う「ニシタチ中央通のら猫お助け隊」メンバーら約10人が毎日手分けして与えている。同隊代表の上野弘美さん(51)は「活動に共感してもらえありがたい」と感謝する。
県の休業要請解除を受け営業を再開する店が出てきたが、いまだ休業中の店も目立ち、資金難で廃業した店も。まだ餌は十分ではないという。同会代表の山本清美さん(52)は「どの地域も大変な時に多くの心配りをいただいた。それに応えるためにも猫を見守っていきたい」と話している。
同会(電話)090(4587)2315。