8月に都城市高崎町で捕獲されたチョウザメ(都城市高崎総合支所提供)
宮崎市の大淀川下流でシベリアチョウザメが相次いで確認されているが、都城市高崎町や高原町の農業用水路でも8月からチョウザメが確認されていたことが9日、市や町への取材で分かった。小林市の県水産試験場内水面支場からため池への流出も明らかになったが、「3カ所の関連性は低い」(県水産政策課)という。
都城市高崎総合支所によると、8月14日に市民から通報があり、大淀川支流の高崎川につながる同市高崎町縄瀬の用水路でチョウザメ2匹を市職員が捕獲。9月2日までに近くや同町前田の用水路でも見つかり、体長約60~70センチの計8匹を捕獲し、同支場に引き渡した。
高原町では8月22日、高崎川支流の赤池川から水を引く同町蒲牟田の農業用水路で、地元女性が約50センチの1匹を捕獲。町職員が同24日、赤池川で70~80センチとみられる3匹を確認した。同川では2月下旬にも10匹ほど見たとの目撃情報があった。
町によると、町内には高崎川周辺に養殖場が2カ所あるが、いずれも町の聞き取りに「飼育中の個体とは大きさが異なり、現時点では流出につながる施設の破損なども確認できていない」と説明したという。
県水産政策課や同支場によると、宮崎市の個体が2~3歳なのに対し、高崎町などで見つかった個体は1~2歳。大淀川にはダムがあることなどから、高崎町から宮崎市への移動は考えにくいという。また、同支場近くの辻の堂川と高崎川はともに大淀川水系だが、直接つながってはおらず、小林市から高崎町への移動は難しいという。
同課は「3カ所の関連性は低い。チョウザメを見つけたら積極的に捕獲し、再放流はしないでほしい」と話している。