新型コロナウイルスに感染しても自覚症状がない人は最近の研究によると10人中3〜4人に上るという。だがその人たちを検査すると肺に異常が見つかるケースがあり、専門家は「気付かなくても体はダメージを受けている可能性がある」として、体調の変化に注意するよう呼び掛けている。
中国のチームは昨年6月、無症状の感染者37人にコンピューター断層撮影(CT)検査をしたところ、6割近い21人の肺に異常があったと発表した。コロナの肺炎に特徴的な「すりガラス状の影」も多く確認された。
無症状者計231人のデータを含む7編の論文を分析した別の研究でも、約6割で肺のCT画像に何らかの異常が見られた。一部の人は後で症状が出たという。
感染症に詳しい国立病院機構三重病院の谷口清州臨床研究部長は「コロナは症状がないからと侮れない。まずはマスクや手洗いなどで感染予防に気を配ることが大切だ」と話している。