新型コロナウイルスの感染を一つの方法だけで完全に防ぐのは難しい。国立国際医療研究センターの具芳明医師は「生活の中で複数の対策を組み合わせ、できるだけ感染リスクを下げるという考え方が大切」と話す。
具さんは東京都に感染症対策を助言する専門家組織のメンバー。同組織は最近まとめた感染予防ハンドブックで、この考え方を解説している。
基本的な対策としては3密(密閉、密集、密接)回避のほか、マスク着用、手洗い、環境の消毒、換気がある。室内に何人かが一緒にいる場面を思い浮かべてみよう。
全員がマスクを正しく着用すれば、仮に感染者がいてもウイルスを含む飛沫(ひまつ)の飛散は抑えられ、他の人への感染リスクは減る。だが「絶対安全」とは言い切れない。そこで窓を開けて換気すると、リスクをさらに小さくできる。
手洗いや、人々がよく触るスイッチやドアノブなどの消毒を小まめに行うことも、手に付いたウイルスが目や口に入るのを防ぐのに有効だ。