感染しても比較的重症化しにくいとされる新型コロナウイルスの変異株オミクロン株は、後遺症の発生率も、別の変異株デルタ株の半分程度とみられるとの研究を、英ロンドン大キングスカレッジのチームがまとめた。
患者本人が検査結果や症状を報告するスマートフォンアプリを使って10万人近い英国成人のデータを集め、感染判明から4週間後も倦怠(けんたい)感や息切れなどの症状が続くケースを後遺症と定義した。
英国でオミクロン株が流行の主流となった2021年12月~22年3月の後遺症発生率は4・5%だったのに対し、デルタ株が主流だった21年6~11月は10・8%とオミクロン流行期の2・4倍だった。研究対象者は全員が1回以上のワクチン接種を受けていた。
チームは「オミクロン株の後遺症発症リスクはデルタ株に比べ小さいと考えられるが、感染者数が非常に多いため、後遺症に悩む人の絶対数はかなり多くなる」と話している。