高性能とされるHEPAフィルター付きの空気清浄機は新型コロナウイルス対策に有効であることを、感染力のある本物のウイルスを使った実験で確かめたと、東京大医科学研究所の河岡義裕特任教授らのチームが米専門誌に発表した。
HEPAフィルターはJIS規格によると、定格風量で0・3マイクロメートルの粒子を99・97%以上捕集する能力がある。直径約0・1マイクロメートルのコロナウイルスへの有効性を直接評価した研究は初という。
チームは危険な病原体を扱える特別な実験室内にウイルスを噴霧した後、病院での使用を想定し、1時間で部屋の空気が12回入れ替わる風量で空気清浄機を運転。すると運転時間が延びるほど空気中のウイルスが減り、5分では除去率85%だったが、35分30秒の運転で99・97%以上になった。
抗ウイルス剤をフィルターに塗布しても除去率は変わらなかった。河岡さんは「HEPAフィルター付き空気清浄機と換気を組み合わせれば、より短時間でウイルスを減らせるだろう」と話す。