室内での新型コロナウイルスの感染リスクを下げるには、マスク着用や換気に加え適度な保湿も大切だ。政府は「湿度40%以上」との目安を11月に公表した。各種の研究からは「40〜60%」のメリットが大きいようだ。
冬の室内は乾燥しがち。空気が乾燥すると、感染を防ぐ人体の働きが低下する。気道に入ってきた病原体を捉えて外へ押し出す粘膜や線毛の動きが鈍くなり、ウイルスなどが肺の奥まで入り込みやすくなってしまう。
感染者が排出するウイルスを含んだ飛沫(ひまつ)も、乾いた空気の中では水分が早く蒸発し、軽くなって室内を長く遠くまで漂う。その結果、別の人が吸い込んで感染する危険性が高まる。
湿度は高いほど良いわけではない。コロナウイルスは湿度が60%近くだと早く活性を失うという研究があるほか、あまり高い湿度では壁などにカビが生えやすいことも分かっている。専門家は「利益が大きくマイナスが少ないのは40〜60%」として、湿度に注意を払うよう呼び掛けている。